この記事はHAL99さん(@hal_99)主催「ボードゲームに関わるエトセトラ Advent Calendar 2022」の18日目の記事です。前日の記事は tennkyuuさんによる「遊べて幸せだなと改めて思った旧作の話」でした。
自分はボードゲームが大好きです。なぜ好きなのかというと「みんなで遊んだ時の体験が楽しいから」に尽きます。
しかし楽しかった記憶も時が経つにつれてどんどん薄れていく。なにか思い出すきっかけがあれば…そうだ!ボードゲームを棚に並べておけば、定期的に思い出すのではないか?棚に並べるならば、できるだけ見た目も麗しい方が良い。
そう考えられてできたシリーズが「マスタープリント」シリーズ!!
…なのかどうかは知りませんがボードゲームの背表紙を洋書にみたてたシリーズが「マスタープリント」シリーズなのです。
(マスタープリントを並べるとボードゲーム棚がまるで海外の本棚のようになります)
2022年現在、24作品がマスタープリントシリーズとして出版されています。
- レオナルド・ダ・ヴィンチ (2007年)
- イスファハン (2007年)
- エル・カピタン (2007年)
- キーハーベスト[デメトラ](2007年)
- カーソンシティ (2009年)
- チョコラトル (2010年)
- 発明の時代(2010年)
- ホームステッダー(2012年)
- トラヤヌス(2012年)
- アメリカンレールズ(2013年)
- ウォーロック(2013年)
- キーフラワー(2014年)
- マッシリア(2014年)
- ゴールデン・エイジ(2014年)
- ハスペルクニヒト(2015年)
- バヌアツ(2016年)
- パパパオロ(2016年)
- キー・トゥ・ザ・シティ ロンドン(2016年)
- コーザ・ノストラ(2017年)
- ハロウィン(2017年)
- アーグラ (2017年)
- ライアテア(2018年)
- フィレンツェ(2018年)
- ラ・スタンザ(2019年)
- テラマラ(2019年)
- ビッグショルダー[シカゴ1875] (2019年)
- カーネギー(2022年)
重ゲー好きな方なら「知らないうちにマスタープリントが棚にあった!」なーんてこともあるかと思います。
さて。マスタープリントシリーズを時系列に並べてみると変遷が感じられます。序盤は過去作の復刻なのに対して、中盤からはクインド社でオリジナルの作品を出しているのです。昔は「ちょっと箱がオシャレになった復刻版シリーズ」という位置づけでしたが、今となっては注目作も多く出しているシリーズに進化したのでした!
過去の感想ツイートの抜粋
ワーカープレイスメント、タイル配置、ところてん競りなど各要素が美味くミックスされたピザゲーム『パパパオロ』
『パパパオロ』
— しの🍆 (@see_know) 2017年9月18日
各地にピザを届けて、一流のピザ職人を目指す。
カルカソンヌのようにタイル配置して、ピザ店と民家を道で繋ぐ。
どのくらいの量と距離を届けられるかは、ところてん式の競りで決まる。
色んな要素がつまって、どこを切り取ってもなかなか美味しいミックスピザみたいなゲーム🍕 pic.twitter.com/HGlCkw5jiX
みんなでゴースト駒を移動し成長させながら、ワイワイ楽しむ中量級パーティゲーム『ハロウィン』
『ハロウィン』
— しの🍆 (@see_know) 2022年10月31日
プレイヤーは悪魔の王となり、幽霊達を操る。
幽霊を操るアクションはコンコルディアのようなアクション選択式になっているのだけど、盤面の全ての幽霊は誰のものでもなく全員が操れるので、誰がどんなアクションするのかを予想するのが大事になってくる。 pic.twitter.com/P10v8HLTE2
時をかけるワーカープレイスメント『テラマラ』
『テラマラ』
— しの🍆 (@see_know) 2019年11月12日
よくあるワーカープレイスメントで、何ラウンド目にどんなアクションが使えるか予め見えている。
先のラウンドのアクションは強力なんだけど、なんとテラマラは先ラウンドのアクションを踏むことができるのが特徴!…そして、そのワーカーが帰ってるのは、定められたラウンド後!! pic.twitter.com/mL6PrF06LC
蒸気の時代のスピンオフ作品!?企業経営ゲーム『カーネギー』
『カーネギー』
— しの🍆 (@see_know) 2022年6月6日
企業経営がテーマ。
手番では人事・マネジメント・研究開発・建築のどれかを選択すると、全プレイヤーはそのアクションをする。
また毎ラウンド収入(または寄付)が発生するのだけど、どこで発生するかも手番プレイヤー次第。
いかに効率的に収入を得て拡大してくかが熱い!! pic.twitter.com/nmVmHUjbzf
『カーネギー』
— しの🍆 (@see_know) 2022年6月6日
蒸気の時代のスピンオフ作品。
蒸気で沢山株式発行しても、それを買ってくれる人がいなきゃ成り立たなす。
蒸気で長く線路を敷設したくても、材料の鉄がなければどうにもならなす。
鉄道で財をなすアンドリュー・カーネギーをリスペクトした作品!
(※ゲームに蒸気要素はありません) pic.twitter.com/YghT5YRWJp
ツイッターで感想をつぶやいておりませんでしたが、『アーグラ』や『ラスタンザ』も自分は好きなゲームです。
おわりに
マスタープリントシリーズはクインドゲーム/Quined Games(以下、クインド社)という会社から出版されてます。
クインド社は、Arno Quispel氏と、Frank Quispel氏の兄弟が運営しているオランダの会社です(本当に海外の方々は兄弟仲がとても良いですね!)
マスタープリントシーズは「最高のゲームを復刻する」のが思想でした。それと同時に当初は自国であるオランダ市場に対して、同じオランダの会社であるホワイトゴブリンと共同でボードゲームを届けるのを目的としていたのです。
ただしクインド社は、オランダ市場だけではなく多言語版として各国に出版すべくホワイトゴブリンと袂をわかちあうのでした。その後もたくさんの名作をマスタープリントとして復刻しながらも、自社オリジナルのゲームを多数の作品を発表しています。
個人的には昔の面白いゲームを復刻してくれるスタイルも良かったですが、クインド社独自のゲームを発売してくれる今のスタイルが好きです。これからもクインド社を応援しています!
(ただクインド社公式サイトでポチると届くの遅かったり、レスポンス遅かったりするのは改善して欲しいところ…)
おまけ