Boardgame Bonus Track

ボードゲームを遊ぶ上であまり役に立たないと思うけど、ちょっとした雑談の種を提供したいです

蒸気の熱気を感じるゲーム達(TramWays & CLINIC)

この記事はボドゲ紹介 Advent Calendar 2021 - Adventar 19日目のエントリーとして書きました。昨日はまるぃもさんによるボードゲーム棚やテーブルの選び方についての記事です。棚だけでなく地震対策やテーブルについての紹介があり、とても実用的。今から棚やテーブルを購入する方はぜひ参考にどうぞ!(まるぃもさん、自分はアレア集めてないけども!来年は一緒に遊んでね!!)

marulimo.hatenablog.com

 

さてさて、今年は『蒸気の時代』がTwitterのタイムラインを賑わせていましたね!2002年発売のゲームが、DX版の発売をきっかけに再び盛り上がりを見せているのは、とても感慨深いです。蒸気の時代は、拡張マップが100以上あります。なにせ今もなお発売されているので、正直、蒸気の時代だけでも無限に遊べるかもしれません。

…が、それでも「蒸気の時代と似たゲームで、面白いゲームはないですか?」という質問を受けることもあります。そこで、今回は蒸気の時代の影響を色濃く受けつつ、今どきのゲームを紹介できたらと思います。

TramWays ~蒸気の時代色の強いデッキ構築ゲーム!~

このゲームは前半は競りで手番順を決めて、後半で線路敷設や乗客を運ぶ…そんな蒸気と同じような流れですが、蒸気の時代と大きく違うのがTramWaysは「デッキ構築ゲーム」であるところです。

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このゲームのポイント

  • 他に見ないユニークでシビアな競り
  • 熱くなるカードドラフト
  • ストレスとの闘い
  • 蒸気の時代よりも複雑なルール

手番順の競りは、他に類を見ない方式の競りです。つり上げ式の競りではありません。前の人より低い金額を提示して良いのです、ただし宣言した金額はすぐに払う必要があります。何巡もすると、そのたびにそのお金を支払う必要があります。

また自分の値付した金額が、次に自分の番に回ってくる時までに最高値をキープし続けていたなら最初の手番になれるのです。この洗面器ゲームのような辛さが、たまらないのです。

そして競りに勝った順で公開されている中からカードを手札に加えることになります。このゲームは、線路敷設も輸送も何もかもアクションはカードを使って行います。そしてカードの中には強いカードもあれば、何にも役に立たないカードも混じっているのです。

これが手番順競りが熱くなる大きな理由です。手札に1枚呪いのようなカードがあるだけで、とても苦しいため競りで妥協ができません!

また、このゲームのもう一つの特徴は「ストレスポイント」。強い行動にはストレスポイントが伴う仕組みになっています。たとえば手番順で1番になるだけでストレスが溜まります。ストレスポイントはゲーム終了時に失点となります。なのでストレスのコントロールも大事になってくるのです。

難点は蒸気の時代に比べるとルールが複雑なところです。カードにはいろんなアイコンがあり、それを組み合わせてアクションするため、初プレイ時はインストに時間が結構かかると思います。

 

CLINIC ~蒸気の時代の香りがする病院経営ゲーム!~

敷地内に沢山の施設を作って、医者や看護師を雇い、患者を病院に招いて、患者を治すことでお金を儲ける。そして儲けたお金を勝利点に変換していきます。

タイル配置することで効率的なルートを構築して、いかに患者や医者を治療室に移動させるか…テーマは違えど、遊ぶと蒸気の時代の香りがする経済ゲームです。

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このゲームのポイント

  • ユニークなテーマとシステムの合致
  • 程よいインタラクション
  • 無限に遊べる拡張セット
  • 複雑なルール

このゲームは病院経営ゲームです。しかし軽症な患者を治療してもそんなにお金は儲かりません。ならばどうお金を稼ぐのか?…なんと、このゲームは患者を1ラウンド放置すると重症化するのです。わざと患者を放置して、重症化したら治療して患者から高額の治療費を請求するなんてこともできてしまうのです。恐ろしいですね。

しかし、このゲームが悩ましいのは、患者も医者も看護師も、病院にいる者1人につき車が必要になること。車は必ず敷地内で駐車してもらう必要があるため、限られた敷地に駐車スペースを作らないといけないのです。

また重病患者を治すには優秀な医者が必要になってくるのですが、医者は業務に追われると、日に日に疲れが溜まり軽症な患者しか治せなくなります。そして医者は一度雇うとリストラできませんし、毎ラウンド給料を支払う必要があります。

この患者と医者と、そして病院のマネジメント…これが上手くシステムとマッチしているのがクリニックの特徴です。

ただ蒸気の時代やTramWaysと異なり、このゲームは個人ボードにタイルを配置していきます。なのでタイル配置による相手の妨害はありません。

そこを物足りなく思うかもしれませんが、建物や患者や医者は、プレイヤー同士で取り合いです。なのでバチバチしすぎない今風のプレイ感となっています。

ちなみにTramWaysも、そしてこのCLINICも、拡張セットがたくさんでています。CLINICについては1st~5th Extensionと、そしてCLINICが協力モードになる『Covid-19』という拡張まで発売されています。

(すでに1か月以上前に直販サイトで注文していて、このブログで紹介したかったのですが…間に合いませんでした。無念)

 

難点は分かりづらいルールです。現在流通してるのはDX版です。分かりづらかった初版のルールをDX版では分かりやすくなるよう書き直されているそうです。しかし、それをもって尚、DX版もルールは分かりづらい!

初期資源のタイル効果一覧くらいあって欲しいものですが「アイコン見れば分かるでしょ」と言わんばかりに、記載がありません。

 

まとめ

今年の『蒸気の時代』の勢いはすごくて、日本でもオリジナルのマップを製作する方が何人もいたり、アクリルなグッズを作る方がでてきたり、みんなの熱気がすごい!!

そして今回、紹介した『TramWays』と『CLINIC』の作者はAlban Viard氏。この方は蒸気の時代の拡張マップを今もリリースしてるほどの蒸気の時代好きな作者なのです。

今年は蒸気好きの熱気をたくさん浴びた年だったと思います。来年は自分も何かしたいなぁ🍆

 

さて、明日はアクリルトレイでお馴染みの豊田えりさんです。去年は一緒に蒸気の時代の人体マップ(Alban Viard作)をしながら年越したのが良い思い出です。えりさんには今年もいっぱいお世話になりました。そんな、えりさんがどんな記事を書いてくださるのかとても楽しみです!!!