今回は『レース・トゥ・ザ・ニューファンドランド (Race to the New Found Land)』を紹介します。
出版社のハンス イム グリュックスは概ね年2回のペースでボードゲームを発売しています。昨年度(2017年)には、春に『バレッタ』、秋に『マジェスティ』を発売しています。そしてハンス社の今年の春の新作がこの『レース・トゥ・ザ・ニューファンドランド』です。
友人の伝手で、このゲームをいち早く遊ばせてくれる機会を得ましたのでかいつまんで紹介します。まだファーストインプレッションの段階ですが、これからメビウスゲームズで発売予定なので、少しでも参考になれば幸いです。
タイトル | レース・トゥ・ザ・ニューファンドランド (Race to the New Found Land) |
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プレイ人数 | 2 - 4人 |
プレイ時間 | 60分~90分 |
メーカー | ハンス イム グリュック (Hans im Gluck) |
作者 |
M.カレンボーン(Martin Kallenborn)、J.シェラー(Jochen Scherer) |
作者のひとりM.カレンボーン氏は2014年にハンス社から『ヘリオス』というゲームを出しています。ヘリオスは世間的に評価が高いわけではありません。しかし太陽神をテーマにした斬新な太陽駒の動き方故か一部の熱狂的なファンから高い評価を得ています。そんなヘリオスの作者が久しぶりに出した作品が、このレース・トゥ・ザ・ニューファンドランドなのです。
ゲーム背景
向こう見ずな船乗り達が大海原へ航海し、巨大な島を発見をした…その島はニューファンドランドと呼ばれた
新しく発見された土地。 北アメリカの海岸から離れた巨大な島。すぐに国家間の競争が勃発します。プレイヤーは国の代表となり、艦隊を編成し、自国の資源を積み込み、探索、開拓、貿易を行います。
しかし他国との競争ははげしく、早ければ早いほど利益や名誉はたくさん得られるでしょう。果たして最も祖国へ錦を飾るのは誰でしょうか?
今、ニューファンドランドを巡り、エキサイティングなレースが始まります。
ゲーム概要
ゲームの背景だけではレースゲームだと思われるかもしれません。しかし、このゲームは厳密にはレースゲームではありません。
このゲームは4ラウンド行い、終わった時点で勝利点を最も得たプレイヤーが勝利します。
ラウンドは概ね「①船の購入⇒②アクションの計画と実行⇒③目的の達成」という流れです。
↑個人ボード兼サマリーです。簡単な処理の流れが記載されています。
船の購入フェーズでは資材を払うことで船を購入できます。船はいわゆるワーカーみたいなもので、多いとやれることが増えます(ただし船の所有数には上限もあります)
また船の能力により、アクションをしたときに得られるものが変化します。
アクションの計画は、一斉に計画するわけではなくスタートプレイヤーから順に計画していきます。アクションには「積荷、開拓、配達、発見」の4つがあり、それぞれを手番順に計画していきます。そのアクションを解決するのは手番順ではなく、配置した船の速力順になります。
これらアクションにより、資源を増やしたり、その資源を使って自駒を色んな場所に配置しマジョリティ争いするのが主な得点源です。
またラウンド最後に目的カード達成の判定があり、達成していると得点がもらえます。
これを4ラウンド繰り返すだけです。
さて。ここまで聞くとわりと良くあるタイプのドイツゲームです。しかし、このゲームは単なるマジョリティ争いのゲームではありません。このゲームのタイトルは『Race to the New Found Land』…レース要素が、このゲームの肝なのです。
レースゲームではないのにレース要素が大事とはこれいかに!?
得点トラックには、四角や星形の特別なマスがあります。このマスを先に潜ったプレイヤーから順番に、さまざまな特典や特権が手に入ります。
また、このゲームは得点トラックが50点刻みですが、50点を取った時にもらえる得点マーカーでさえ、早いもの順に得点が入ります。
このゲームでは、いかに早く効率よく得点を取るかがとても重要なのです!
このゲームのポイント
- 公称どおりの時間で終わるサクサク感
- 一気に大量得点できたときの気持ち良さ
- ルールがシンプルで分かりやすい
- コンポーネントの豪華さ
- アイコンが分かりづらい
【プレイ時間】プレイ時間90分と箱に書かれていても120分以上かかるゲームは多々あります。しかしレース・トゥ・ザ・ニューファンドランドは4人プレイでも概ね公称どおり90分で終わります。
【気持ち良さ】1ラウンド目は船の数も少ないため、たくさん点数を取ることができないでしょう。少なくとも自分は1ラウンド目に2点しか取れませんでした…
しかしラウンドを重ねるごとに船の数は増え、たくさんの得点を取れるようになります。得点を取ると色んな特典や特権が入るので、得点を取るのが気持ち良いです。
【ルール量】90分のゲームでもルール説明が長いと本末転倒です。レース・トゥ・ザ・ニューファンドランドはルール量も多くなく、また個人ボードがサマリーになっているため、とてもすんなりルールが頭に入ってきました。
【綺麗な盤面】船や資源は木製駒になっており、また肝となる得点トラックには、どこに入ればどんな特典や特権が貰えるか分かりやすいように、ファンシーな形にくり抜かれたタイルがボードに華を添えます。
【気になること】レース・トゥ・ザ・ニューファンドランドで気になるのはアイコンの分かりづらさです。バレッタに比べればアイコン化しているだけマシですが、それでもアイコンが分かりづらいのは辛いです。自分がこのゲームを手に入れたらカード一覧は作りたいと思っています。
おわりに
航海士になって他国を出し脱いて島を発見したり貿易をしたりする…レース・トゥ・ザ・ニューファンドランドは、そんなテーマとシステムが合致したゲームだと思います。
まだ一回しか遊んでないため、たいした感想が書けませんが、少なくとも自分はまた遊びたいと思えるゲームでした!
…ちなみに現在(2018年4月20日)、メビウスゲームズからは『ニューファンドランド』という邦題で発売予定です。しかし、個人的には長くとも『レース・トゥ・ザ・ニューファンドランド』と呼びたい! なぜならばこのゲームの真骨頂はレース要素だと思うから!!
…そんなわけで皆さんも機会があれば、ぜひ遊んでみてくださいな🍆