Boardgame Bonus Track

ボードゲームを遊ぶ上であまり役に立たないと思うけど、ちょっとした雑談の種を提供したいです

イスタリがたり その1

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YSTARI

 

Ystari Gamesはフランスメーカーの1つです。

何を隠そう私は「Ystari Games(以下、イスタリ)のゲームが大好きです。

言語依存がなく、すべてアイコン化されている遊びやすさ!

ときには渋く、ときには近未来的なアートワーク!

簡単すぎず、難しすぎない丁度良い感じのルール!

そして、殆どのタイトルに"Y""S"を入れるお茶目さ!!

私の好みにDON PISYARIなのです。

 そんなわけで、イスタリについて色々と語りたいと思います

(記事は長くなるので前半と後半に分けます)

 (できるだけ調べて記事にしていますが、なにか間違いがあればこっそりご指摘ください 

 

イスタリ ゲームリスト

イスタリ - Google スプレッドシート

イスタリがメインで出版したゲームリストです。イスタリは自社で開発したゲームの他にも、他社のフランス語ローカライズ版も出しています。ただ趣旨から外れるのでリストから除外しています。

 

イスタリの歴史

イスタリの創始者はCyril Demaegd氏(以下、シリル)です。

シリルはフランス人でありながらも、クラマーやクニツィアみたいなドイツのゲームデザイナーにあこがれて『Ys(イス)』をデザインしました。そしてシリルはゲームをデザインするだけでなくゲームを作る全工程に興味を示してました。シリルの兄弟は芸術家であったため兄弟にアートワークを任せて、自身がゲームを開発から出版まですることにしました…これがイスタリの始まりです(ちなみにイスタリのアートの殆どがシリルの兄弟Arnaud Demaegdによるもの)

 

2004年に発売した『イス』の評判は上々で、次にシリルは遊び仲間であるWilliam Attiaに声をかけ、そのとき彼が手掛けていたゲーム『ケイラス』を形にしたのでした。

2005年にエッセンで発表した『ケイラス』の評価は鰻登りで、ドイツゲーム賞(Deutscher Spielepreis)の1位に選ばれます。ここからイスタリの輝かしい歴史が始まりました。

 

その後もシリルは友人からの紹介でSebastien Pauchon(以下、ポーション)と知り合い『イスファハン』『メトロポリィス』を発売し、イスタリの知名度を上げていきました。

その後も続々とゲームを出し続け、20個以上のゲームを発売しています。

 

…しかしイスタリの歴史は2015年で幕を閉じます。フランスの大手会社アスモデとの合併があったのです。シェイクスピアの拡張を最後にイスタリからゲームが出版されることはなくなりました。

 

でもイスタリの魂がなくなったわけではありません。シリルはアスモデの子会社 スペースカウボーイで謎解きゲーム『アンロック』を出し続けています。

また同様にセバスチャン ポーションは、アスモデの子会社であるDAYS OF WONDERからイスファハンをベースにした紙ペンゲームを今年(2019年)発売しました。

 イスタリの魂を継いだゲームが今後も世に出続けることを私は楽しみにしているのです!  

 

雑談

その他、ゲームにはあまり関係ないことで、ちょっとした小話や思い出話をつらつらと書いていきます。 

イス

コンポーネントで特徴的なのがボード。基本では最大4人プレイまでで拡張ではじめて5人であそべるようになるのに、すでにボードには5人で遊べるように描かれてるんですよ!

遊んだ当初は「だったら最初から5人までのコンポーネントを入れれば良いのに」と思ったものです。ただ後から調べてみると、イスを作ったとき、シリルはコストダウンに相当苦労したらしく、例えば、たくさんある宝石駒の袋詰めをシリル自身がやっていたみたいなんですよ。そういう苦労話を聞くと責める気も失せますね…  

イスファハン

イスファハンの説明書って、最初の最初に謝辞(Special Thanks)があるんですよ。ゲームの背景やゲームの概要を差し置いてまで。ちなみに謝辞にはシリルの友人であるDavid Pernotの名とキングドミノ等でお馴染みのブルーノ カタラの名があります。カタラはポーションに沢山のデザイナーとの出会いを提供し、David Pernotがシリルにポーションを紹介した経緯があります。よほどシリルもポーションも出会いに感謝をしていたのではないでしょうか?そして私もイスファハン大好きなので、このゲームを出してくれたことに感謝の気持ちでいっぱいなのでした。

メトロポリィス

メトロポリィスは説明書の最後が面白くて、このゲームが出来上がった経緯が記載されてます。なんでもゴアのルールを間違って遊んでたところがメトロポリィスの出発点だったとか。どこからゲームのアイディアが沸くか分かりませんね。 

蟻の国

原題のMYRMESって聞きなれないから、どんな意味か調べてみたら、どうもそのまま「蟻」の意味みたいですね。蟻地獄が英語で「Myrmeleontidae」だったり、蟻学が「Myrmecology」だったり。イスタリの邦題は、ほとんどがカタカナにしたものばかりだけど、個人的にこの「蟻の国」って邦題が結構好きです。 

シェイクスピア

イスタリが最後に出したのがシェイクスピアの拡張なんだけど、特徴的なのが「拡張の箱が基本セットの中に収まるよう、内箱が設計されている」こと。

ちょっと処女作のイスを彷彿させます(拡張を前提に作られているところが)。

基本だけだとスッキリした作りながら重ゲー好きには物足りない。バックステージはそんな穴を埋めるように作られているのが好きです。

 

次回予告

後半は各ゲームのシステムについて触れていけたらと思います!

でも公開日は未定です。イスタリ会でめっちゃイスタリを堪能してから記事にしたいと思います!

 


参考

■デザイナーインタビュー:ケイラス(翻訳記事) ~精神科医のボードゲーム日記
https://blogs.yahoo.co.jp/takewatchgo/43622523.html
https://blogs.yahoo.co.jp/takewatchgo/43630322.html

 

■イスタリを語る ~ 積み上げボードゲーム積み下ろし会
http://tsumiorosi.blog.fc2.com/blog-entry-62.html
http://tsumiorosi.blog.fc2.com/blog-entry-64.html
http://tsumiorosi.blog.fc2.com/blog-entry-65.html
http://tsumiorosi.blog.fc2.com/blog-entry-66.html

 

■Game Designer/Publisher Interview: Sébastien Pauchon
https://meepletown.com/2011/02/game-designer-interview-sebastien-pauchon/

 

■Interviews by an Optimist # 21 - Cyril Demaegd rss
https://boardgamegeek.com/thread/59112/interviews-optimist-21-cyril-demaegd